トラブルを早く円満に解決する示談書の書き方

セクハラや不倫などの男女問題、口論からの傷害事件、会社のお金の横領など、自分がトラブルの当事者になったり相談を受けることがあると、何とか早く円満に解決できないかと思うものです。
まずはトラブルの当事者同士で話し合いをして、加害者側から被害者側に解決金を支払うことで合意ができたら、その内容を法的に通用する示談書を作成して早期に解決を図りたいものです。
そこで示談で解決できるトラブルについて、交渉の進め方と示談書の書き方を解説します。

 

このページの目次
・示談交渉か裁判かの判断
・自分で交渉するか弁護士に依頼するかの判断
・交渉の順序
・話し合いで確認しておくこと
・示談書の役割
・示談書の書き方
・自分で書類作成するか専門家の行政書士に依頼するか

 

トラブルをこじらせて長引かせるのは一番避けたいところです。
また、示談が成立したとしても、あまりに一方的な内容で遺恨を残すのも望ましくありません。
素早く話し合いをして、妥当な示談金と再発予防の対策で合意し、円満な解決を図るよう心がけたいところです。

示談交渉か裁判かの判断

トラブルの対処方法としては、当事者の話し合い(交渉)だけで解決を図る示談と裁判所に民事訴訟の訴えを起こす裁判という選択肢があります。

大抵のトラブルは示談で解決することが多いものですが、損害の把握が難しい場合や加害者と被害者が厳しく対立する場合には、当事者だけでは事態の収拾がつかないため裁判を視野に入れるしかなくなります。

 

例えば、傷害事件で被害者が3ヶ月以上も入院するような事態になると休業補償も問題となりますが、そうなると損害賠償金の金額も高額になって算定額について揉めることが多くなります。
また、加害者側に全く誠意が無くまともに交渉に応じないケースもあります。
そのような当事者の交渉だけでは解決が難しい場合には弁護士に相談して裁判も視野に入れる必要があります。
特に傷害事件で加害者の身柄が警察に確保されており、連絡先などの個人情報も教えてもらえない場合には弁護士に依頼するしかありません。

 

そうした交渉が困難なケースではなく、加害者と被害者の間で話し合いが可能で、加害者も責任を認めて損害賠償金の支払いにも応じる場合には、関係者だけで解決を図る示談が可能になります。

自分と相手方と直接に話し合いが可能であれば示談交渉を進めて、それが難しく損害賠償金も高額になりそうな場合には弁護士に依頼して裁判という判断になります。

自分で交渉するか弁護士に依頼するかの判断

トラブルに関する話し合いはどちら側から先に持ちかけるというルールがあるわけではなく、加害者側から連絡をとるケースもあればその逆もあります。
まずは電話やメールで相手方に対して謝罪や損害賠償の話し合いをしたいと申し出て、それに応じてくれば条件交渉を経て示談で解決を図るという流れになります。

相手方からの連絡を待っているだけでは不信感だけが募ることになるため、まずは話し合いをしたいと伝えて交渉を始めることが大切です。

ただ、話し合いが通じない相手もいるので、次のようなケースでは裁判所の調停制度を利用したり、弁護士への依頼も考えなくてはなりません。

 

(1)加害者が自分の責任を認めず逃げ回る場合
(2)被害者の請求する損害賠償金の金額が過剰に高額な場合
(3)性犯罪などで加害者との接点を持ちたくない場合
(4)相手方の連絡先がわからない場合
(5)傷害事件などで加害者の身柄が警察に確保され連絡がとれない場合

 

以上のようなケースでは、当事者同士の交渉が困難になるため、弁護士の法律相談を受けたほうがよいでしょう。
(当サイト運営者は行政書士であり、弁護士ではありません。困難なトラブルは弁護士による法律相談を受けて下さい)。

 

相手方との連絡が可能であり、相手方も刑事・民事の事件にすることなく穏便に解決したいと考えていることがわかった場合には、示談による解決の可能性があるため、警察や裁判所に相談すること無く当事者だけで交渉を進めても問題ありません。

交渉の順序

トラブルを解決するためには、まずは相手方と話し合いをしなくてはなりません。
相手から連絡があるのを待つだけでは何も始まらないのです。
連絡の方法は電話、電子メール、メッセージアプリなど、相手と連絡をとりやすい方法で構いません。
仲介者がいる場合は、仲介者に伝言を依頼するということでも構いません。

 

こうした交渉の順序としては次のような流れになることが多いものです。

 

(1)話し合いで解決を図りたいと連絡をする
(加害者側の場合は先に謝罪をして、話し合いをしたいと伝える)
(2)解決するための条件を提示する
(3)相手方に条件について検討してもらう
(4)条件について交渉を行い、合意できるように努める
(5)条件がまとまったら、その内容を示談書に記載する。
(6)示談書を作成し署名と捺印を交わす。
(7)慰謝料の支払いがある場合は、指定日までに振込み送金をする

 

トラブルが揉めて裁判にまで発展する場合は、裁判に要する時間と費用がかかることを覚悟しなくてはなりません。
(弁護士に依頼する場合は、弁護士費用を自己負担する必要もあります)。
また、日本の裁判所の損害賠償に関する算定は低水準になることが多いため、裁判をすれば必ず高額な賠償金が勝ち取れるというものでもありません。

 

話し合いの示談で解決を図る場合は、加害者と被害者の双方が一定の譲歩をして早期解決を図るという側面があります。
加害者の場合は裁判時よりも高額な示談金を支払い、被害者の場合には慰謝料の金額を相手方が支払える範囲の金額に抑えるといった譲歩によって、早期解決を優先するという判断も求められます。

互いに譲歩が出来なければ示談の交渉は決裂となるため、裁判を視野に入れる必要があります。

話し合いで確認しておくこと

話し合いを進めていくためには冷静になることが必要です。
感情的な言葉を発すれば相手を刺激することになり、まとまる話もまとまらなくなってしまいます。

 

事前に確認しておきたい事項を用意しておき、それを相手方に提示して回答を待つ形にするのがよいでしょう。
具体的には、次のような事項について確認をするようにしましょう。

 

・トラブルの原因と責任の所在について
・被害の把握(怪我の状況・休業の有無・物損の状況など)
・損害賠償金の金額と根拠(世間相場など)
・損害賠償金の支払い方法(振込期日や分割回数など)
・再発予防の対策(接近禁止や監督責任など)
・秘密を守るための誓約(守秘義務と違反時の罰則など)
・刑事事件の場合は、警察への届出の有無

 

こうした条件について交渉を行い、全ての事項について合意の確認が出来れば、すぐに合意内容を文書化して示談書を作成するようにしましょう。

示談書の役割

話し合いでトラブルを解決したとしても、その合意内容や条件を文書化しないで口約束だけにしておくのは危険です。
人の意識というのは時間の経過と共に変わっていくものなので、「賠償金を払う」「約束は守る」「秘密を口外しない」などの取り決めを破られるリスクがあることを想定しなくてはいけません。

 

そのような約束を破られる行為があった場合に、口約束だけでは証拠が無くて対抗することが難しくなります。後になって相手方が「そんな事を約束した覚えが無い」と居直ると、話は振り出しに戻ってしまい、悔しさだけが残る結果になってしまいます。
そのような事後の不安を予防するためには、交渉の合意内容を文書化した示談書を作成することが有効な対策になります。

 

この示談書には2つの効果が期待できます。

 

1つは、示談書を作成することでトラブルの責任所在や解決の条件についての合意内容を確定させることになり、互いに約束を守る意識を高めることができます。

 

もう1つは、示談書という証拠文書が確保できるため、万が一に相手方の契約違反行為が発生したときにも、裁判所等での法的対応という対抗をすることが容易になります。

 

示談書を作成すれば、このような効果を期待できるため、口約束だけの場合に比べて安心感が大きく違います。
辛いトラブルを解決するためには、後からの不安というものは取り除いておきたいものです。そのためには的確な内容の示談書を作成するようにしたいところです。

示談書の書き方

示談書を作成するポイントとしては、事実関係を簡潔にまとめて、和解するための条件を明確に記し、違反した場合の罰則も定めておくことです。

重要なのは、あまりに一方的な内容にするのは避けて、互いにメリットがある内容にすることです。相手方に対する厳しい要求だけを求めるものだと、反発をされて同意を得られなくなるリスクも高くなります。
客観的な事実関係のみを記載し、相手の懸念も考慮した条項を設けた方が示談書の締結手続が早く進みます。
その上で自分の要望はしっかりと記載しておく必要があります。

 

示談書の書き方としては、特に法令で指定されているものではなく、以下のポイントを押さえて文書化するとよいでしょう。

 

表題について
「示談書」「合意書」「誓約書」「協議書」など様々な表題がありますが、表題の違いによって法的効力に影響することはありません。
どのような表題にしてもよいのですが、当サイトでは「示談書」という表記にしております。

 

契約当事者の表示
自分と相手方の住所と氏名を表示します。
住所と氏名は住民票に記載されているものを記載します。

 

事件の概要
トラブルの発生日時(または期間)、場所、加害者の行為内容、被害者の被害状況を簡潔にまとめて書きます。
あまりに詳細に書き過ぎると相手方との認識の違いが生じて混乱するリスクが高くなり、だからといって重要事項に漏れがあると証拠能力が弱くなってしまいます。
必要な事項を要領よくまとめて文章化する必要があります。

 

和解条項
加害者側が責任を認めて謝罪し、損害賠償を誠実に行うことを条件として被害者側が和解に応じることを記載します。

損害賠償責任の承認
トラブルを解決するための条件として、加害者が被害者に対して支払う損害賠償金の金額を定めます。

 

損害賠償金の支払い方法
一括払いか分割払いか等の支払い方法を定めます。
一括払いの場合は、支払期日と支払い方法(現金受け渡しか銀行送金など)を記載します。
分割払いの場合は、分割回数、分割金額、支払い日、支払い方法を記載します。
また、支払い遅延を起こさないように、予防対策として遅延損害金の規定を置く場合もあります。

 

迷惑行為防止
いわゆるお礼参りやトラブル再発、ストーカー行為、風評流布など、事後に懸念される行為を禁止する規定を設けます。

 

刑事告訴
刑事事件の場合は、被害届や刑事告訴の扱いについて規定します。
不倫などの民事トラブルについては、刑事事件では無いのでこうした規定は不要です。

 

守秘義務
トラブルの内容について、相互ともに第三者へ口外しないことを誓約します。

 

違反時の罰則
示談書に定めた規定に違反があった場合の罰則(罰金等)を予め定めておき、互いに契約内容を誠実に履行することを求めます。

 

締結日付
示談書に署名と捺印をする日付を記入します。
この日付の時点から契約内容が有効となります。

 

署名と印鑑について
署名は本人の直筆で行います。
消すことができないボールペンを使用します。
印鑑は朱肉を使うもので捺印します。
高額な賠償金を支払う場合などは実印を使用し、相互に印鑑登録証明書を添付するようにします。

 

以上の内容を文書化すれば、当事者間の合意事項として法的にも有効な文書として認められます。
ただし、あまりにも一方的な内容を記載した場合には、その部分は公序良俗違反と判断されて無効という扱いを受けることもあります。

損害賠償貴の世間相場や一般的な妥当性を意識して条件を定める努力が必要です。

自分で書類作成するか専門家の行政書士に依頼するか

このページに記載した内容に基づいて文書化すれば、一般個人であっても法的に有効な示談書を作成することは可能です。

必ずしも専門家に依頼しなければいけないというものではありません。

ただ、限られた時間内に効率よく自分の権利を守る示談書を作りたいとお考えになるのであれば、やはり専門家に依頼した方が安心できる文書が仕上がります。

 

トラブルの当事者が文書作成をした場合、どうしても感情的になって刺激的な表現を多用してしまい、相手方の反発を受けて余計なストレスを抱えることになったり、冷静さを欠いて重要事項を抜かしてしまい後日にトラブルが再燃してしまうことも目立ちます。

トラブルの解決のためには大きな心労がかかるものですが、その仕上げ段階の示談書に不安が残ることは避けたいところだと思います。
そうしたデリケートな示談書の作成については、実績豊富な当行政書士事務所にお任せ下さい。

遠山行政書士事務所では不倫や傷害事件などの示談書作成に多数の実績があります。


 

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口約束だけでは、万一の時には証拠が残りません。せっかく話し合ったことも後から否定されてしまうと困ってしまいます。
示談書 を作成するなら、専門家に依頼した方が的確な内容に仕上がりますし、何よりも相手方も約束を守らなくてはならないという意識を強く抱くようになります。

そして、長年の経験からの的確なアドバイスをしますので安心感が違います。



 

当事務所は2003年よりネット上で全国対応の業務展開しており、様々なケースでの示談書作成に豊富な実績があります。
示談書は24時間以内に納品しており、料金は一律25,000円です。
(公正証書は別料金です。)

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