示談書の構成文例と書き方

 

示談書とはトラブルを解決するための交渉をして合意した内容を文書にするものです

 

示談書(じだんしょ)とはトラブルがあった場合に加害者と被害者が直接に話し合いをして、解決を図るための条件を文書にするものです。
不倫や傷害事件のようなトラブルがあってもいきなり裁判になるわけではなく、ほとんどの問題はまずは話し合いから始まります。
このように裁判を行わずに話し合いで解決することを民法では和解といい、その和解をするための両者の要望をまとめた文書を示談書、和解書、合意書、協議書などの名称で呼んでいます。このページでは示談書と表記します。

 

示談書は一般の方が自分で作成することもできますし、専門家に作成を依頼することもできます。
自分で作成する場合は形式の不備や重要事項の欠落が無いように注意する必要があります。
このページでは、そのようなトラブルを解決するための示談書の書き方(構成例)について行政書士の遠山桂が解説します。

示談書の書き方

本ページの目次



示談書を作成するメリット

示談書の作成をすると以下のようなメリットがあります。


  • トラブルの原因を明確にすることで、早期解決を図れる。
  • 慰謝料の支払条件を明確化することで、支払い滞納を予防できる。
  • トラブル再発防止対策や罰則設定で、強制力をもって約束を守らせる。
  • 和解成立を文書化することで、後日のトラブルを予防できる。

 

つまり、話合い結果を口約束だけで終わらせることなく、強制力をもって合意条件を守らせることができます。
約束を互いに必ず守るという強烈な意識付けを期待できます。

当事者同士の示談書だけでは心許ない場合には、公正証書を作成するという選択肢もあります。公正証書とは公証人役場で作成する契約書で、金銭給付に関しては裁判の確定判決と同様の効果を期待できます。


示談書の書き方(形式について)

示談書を作成する場合、その構成が法律で定められている訳ではありません。内容や形式は自由に定めることができます。
ただ、思いつきの文言を羅列するだけでは、肝心な内容が漏れたり、法令違反の内容を盛り込んでしまったりする危険性があります。特に法令違反の内容は無効となり、場合によっては示談書の効力にも影響を及ぼす可能性もありますから、慎重な検討が必要です。

以下に示談書を作成する場合の構成例を記載します

・ 表題
・ 前文
・ 事実の概要
・ 被害や損害
・ 示談の内容(本文)
・ 日付
・ 当事者の表示、署名、押印

 

(1)表題
示談書の内容を表すタイトルを表示します。「離婚協議書」「和解合意書」「示談契約書」などと書く場合が多いのですが、単に「示談書」とする場合もあります。
この表題によって、法的効力が変化することはありません。あくまで示談書本文の内容が重要となります。

 

(2)前文
「氏名Aを甲とし、氏名Bを乙とし、以下の通り示談により争いを解決した」
本文で氏名の重複を避けるために、このように前文にて甲乙と表記します。また、示談書の性格をわかりやすく簡潔に表示します。

 

(3)事実の概要
事件の日付や場所、事実内容を簡潔に表示します。当事者双方の感情を考慮し、客観的な事実のみを記載するようにします。思惑や弁明などは揉める原因となるので、記載しないようにします。

 

(4)被害や損害
被害者側の損害を簡潔に表示します。負傷箇所や病名、財産的損害、失職、精神的損害などを記載します。

 

(5)示談の内容(本文)
示談書作成の一番大切な部分です。慰謝料額や支払条件、和解の条件などを記載します。
その他に守秘義務や再犯禁止(または面会禁止)の特約なども記載します。支払い遅延や契約違反をした場合の罰則を定めておくと、より拘束力が増します。

 

(6)日付
「以上の通り示談が成立したので、本示談書を二通作成し、甲乙で各一通づつ保管する。平成○年○月○日」のように記載します。示談内容の改竄を防ぐため、双方で保管するのが一般的です。

 

(7)当事者の表示、署名、押印

当事者の住所と氏名を記載します。特に氏名は手書きで署名するようにします。
示談書の効力を高めるため、印鑑には実印を使用します。実印である事を証明するため、役所より印鑑登録証明書を取り寄せ、示談書に添付します。

公正証書作成の場合には、実印と印鑑登録証明書の他に、本人証明のために運転免許証の写しなどが必要となります。


印紙税について

示談書も金銭の受け渡しを記載する契約書の一種ですから、印紙税法に定める収入印紙を貼る必要があるかどうか迷うところです。
金銭消費貸借契約書や不動産売買契約書などは課税文書ですから、収入印紙を貼る必要があります。
しかし、示談書は非課税文書なので、損害賠償額の記載があっても課税対象とはなりません。よって、収入印紙を貼る必要はありません。
但し、損害賠償の弁済を金銭ではなく、不動産で行う場合は、印紙税法の1号文書に該当するので、収入印紙を貼る必要が生じます。

 

 

大事なのは事件概要と示談の内容(重要事項)を正確に書くこと

示談書に何を書くべきかわからずに粗い文書にしてしまう事例をよく見かけます。
例えば、「この事件について加害者は100万円支払う」といった最低限のことしか書いていない場合、次のような疑問が残ります。

 

「どのような事件なのか?」
「支払いは一括なのか、期限はいつまでなのか?」
「支払いが無い場合はどうなるのか?」
「支払いをしたら加害者は許してもらえるのか?」
「職場などでの今後の付き合いはどうするのか?」
「秘密は必ず守られるものなのか?」

 

この疑問はどれも大事なことだと思います。
こうした重要な事項の定めが書いてなければ、せっかく示談書を作成してもトラブルの予防効果は大きく損なわれたものになってしまうのです。

特に「事件の概要」については加害者と被害者に意見の違いがあったり、事件のことを思い出したくないということもあって、なかなか適切なまとめ方をするのが難しいものです。
しかし、これを書かなかったり、あまりにも大雑把なまとめ方にすると何の示談をしたのか不明な文書になってしまいます。

それとは逆に、あまりにも詳細に書きすぎると加害者と被害者の認識の違いが表面化して争いが再燃し、それがこじれると裁判に発展してしまうこともあります。
つまり「事件の概要」は必要事項を明確に記載しつつも、簡潔に必要最少限度にまとめるバランス感覚が必要です。

 

「事件の概要」の書き方の具体例を挙げてみます。
※加害者および被害者の表記は、通常は甲および乙と表記します。
本ページではわかりやすいように加害者および被害者と表記しています。

 

<傷害事件の場合>
X年X月X日の午前X時頃、X県X市Y番地において酩酊した加害者と帰宅途中の被害者の間で口論となり、加害者は被害者の顔面を殴打した。これにより被害者は顔面に全治X日間の治療を要する怪我を負い、通院のためX日間の休職をした。

 

<不倫の場合>
加害者は被害者の妻が既婚であることを知りながら、X年X月頃からY年Y月頃まで不適切な交際を行い不貞行為があった。

 

<横領の場合>
株式会社Xの営業員であった加害者は、X年X月頃からY年Y月にかけて顧客から集金した合計100万円を着服し、これを横領した。

 

このように事件の当事者の関係性、発生した時期、トラブルの具体的内容、損害の程度などを簡潔にまとめるとよいでしょう。

 

次に「示談の内容」についても具体例を挙げてみます。

 

<損害賠償金の金額>
加害者は本件の損害賠償金として被害者にX万円を支払う損害賠償債務を有することを承認する。

 

<支払い方法>
加害者は被害者に対し、本損害賠償金をX回に分割して、毎月Y日限りZ円を被害者指定の銀行口座に振込送金により支払うものとする。

 

<刑事事件の場合>
本損害賠償金の全額の支払いをすることを条件として、被害者は加害者を宥恕し刑事告訴を行わないものとする。

 

<接近禁止の特約>
加害者は被害者への一切の面会、連絡をしないものとし、被害者が迷惑と感じる行為をしないことを誓約する。

 

この他には支払い遅延を予防するための遅延損害金の設定、守秘義務、契約違反時の罰則などの条項を設けて示談の内容に拘束力をもたせます。

示談書作成の注意点

 

示談の交渉はどちらから?

不倫や傷害事件といったトラブルを示談で解決する場合には、加害者と被害者のどちら側から交渉を始めるのかわからないというご相談も時々あります。
これはどちらから連絡をするという決まりは無いため、加害者からでも被害者からでも気になった方から相手に連絡をするということで構いません。
相手からの連絡を待つ一方で時間ばかりが経過してしまうのはよくありません。
(放置しすぎると不法行為の時効期間の3年を経過してしまい、損害賠償請求権が消滅してしまうリスクもあります)。

 

被害者側から連絡をする場合は、「こちらは損害が発生しているので話し合いたい」と言い出せばよいでしょう。

 

加害者側から連絡をする場合は、「誠に申し訳ありません。お詫びと損害賠償についてお話しさせて頂きたい」と申入れて、面談や電話で交渉をする予約をお願いすることになります。

 

ある程度事前に電話やメール等で打ち合わせをした場合には、合意内容を盛り込んだ示談書を作成しておき、それを相手に提示しながらその内容でよいか打診して話をまとめるという流れになります。
(相手との話し合いが成立しない状況では示談書の提示は逆効果なので持ち帰ることになります)。

 

話がまとまれば示談書に署名と捺印

加害者と被害者の話し合いが進んで、慰謝料の金額などの条件の合意ができれば、本ページの構成例を参考に示談書を作成します。この作成はどちらが行っても構いません。
そうして作成した示談書を相手方にも確認してもらい、了承が得られたらいよいよ締結手続になります。

 

示談書の用紙は同じものを2部用意します。これはパソコンで入力してプリンターで印刷したものでも手書きでも法的効力は変わりません。
ただ、パソコンで作成したものの方が読みやすいため、プリンター印刷したものの方がお勧めです。

示談書の本文は活字印刷したものになりますが、当事者の住所と氏名はボールペンによる手書きで署名します。
印鑑は三文判でもよいのですが、合意事項を尊重することと本人証明を厳格にする意味で印鑑登録されている実印を使用し、お互いの印鑑登録証明書も添付するようにした方がよいです。
印鑑登録証明書の用意が出来ない場合は運転免許証のコピーを添付する形で本人証明をすることもあります。

 

示談書用紙と印鑑登録証明書(もしくは運転免許証のコピー)を2部用意し、示談書1部に加害者と被害者の印鑑登録証明書を1部添付します。
こうした書類を2セット作成し、加害者と被害者の両者が1セットづつ保有するようにします。
これが完成すれば示談書の締結手続は完了です。

加害者と被害者の面談が難しい場合は、この流れを郵送で行っても構いません。

 

こうした示談書の作成について、短時間で漏れの無い内容に仕上げたいとお考えの場合は、豊富な実績のある当行政書士事務所にご依頼下さい。


当サイトでの示談書作成の事例(ご依頼が多いケース)

不倫相手との交際を解消させたい(慰謝料についても定めたい)
社内でのセクハラや通勤途中での痴漢行為
一方的な婚約破棄
傷害事件の当事者(加害者側も)
横領や窃盗などの不祥事

 

 

このようなケースで、お客様ご自身にて相手方との協議が可能であり、両者で解決の見通しがある場合に、当事務所が最適な示談書の作成を承ります。

遠山行政書士事務所では不倫や傷害事件などの示談書作成に多数の実績があります。


 

傷害事件や過失事故、会社と従業員間のトラブル、離婚、不倫、婚約破棄やセクハラ問題など、一人で悩まずに、当事務所に示談書作成のご相談をして下さい。

このような不倫や傷害事件のお悩みついては、ネット対応で12年の運営実績がある行政書士・遠山桂にお任せ下さい。


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口約束だけでは、万一の時には証拠が残りません。せっかく話し合ったことも後から否定されてしまうと困ってしまいます。
示談書 を作成するなら、専門家に依頼した方が的確な内容に仕上がりますし、何よりも相手方も約束を守らなくてはならないという意識を強く抱くようになります。

そして、長年の経験からの的確なアドバイスをしますので安心感が違います。



 

当事務所は2003年よりネット上で全国対応の業務展開しており、様々なケースでの示談書作成に豊富な実績があります。
示談書は24時間以内に納品しており、料金は一律25,000円です。
(公正証書は別料金です。)

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依頼内容の秘密は行政書士法の守秘義務に則って厳守します。








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