男女トラブルや傷害事件等で、損害賠償の問題となったときに、本来ならその損害の程度に応じて加害者は補償をする義務があります。
しかし、このようなトラブルを引き起こす加害者は、まともに就業していなかったり経済的に破綻しているケースも目立ちます。
そのような加害者に損害賠償請求をしても、支払い能力が無くて話し合いがつかないことも多いです。
当事者で協議が出来ないときは訴訟ということになりますが、訴訟に勝ったとしても加害者に見るべき資産が無く、結局請求通りの金額は得られないという最悪の事態もありえます。
本当なら、被害者の損害に応じて補償されるべきで、加害者の経済状態は損害賠償の請求額には関係が無いはずです。
しかし、現実としては加害者の資産以上には補償が得られないものです。
そういう事情から、加害者の収入に応じて損害賠償金を定めたり、長期分割による支払いを認めるなどの現実的対応が求められる局面も多いです。
被害者から見れば、加害者の支払い能力に損害賠償の金額が制約されるのは納得がいくものでは無いでしょう。しかし、そこを度外視しては解決に結びつかないのも確かです。
損害賠償金をどのように定めるかは、加害者の支払い能力と示談の交渉次第ということになります。