既婚者が不倫をして、その事実が夫や妻にバレることになり、話し合いで解決を図る事例は数多くあります。
既婚者は不倫があったからといって、すぐに離婚というわけにいかないことも多いものです。家計や家事分担、子の養育など夫婦で取り組んでいかなければいけない課題は大きく、浮気をした配偶者の反省を促し、離婚をせずに夫婦関係の修復を考えなくてはいけません。
実際のところ、パートナーが不倫をしても離婚をしないで婚姻生活を継続するケースの方が圧倒的に多いものです。
もちろん浮気をされた配偶者としては怒りと嫌悪の気持ちが高まって、すぐにパートナーや交際相手を許す気持ちになれないのは当然のことです。
怒りと不満の気持ちを相手にぶつけて、反省を求めるための話し合いは徹底的にやるべきです。
ただし、離婚をしないという選択をする場合には、必要以上にパートナーを責めるのはマイナスです。
今後も生活を共にするパートナーだからこそ、後にしこりを残すような行き過ぎた罵詈雑言を浴びせるのは良い結果につながりません。
パートナーが反省し、夫婦関係の修復を優先するという確認がとれたら、それ以後は問題を蒸し返さないように心がけなければなりません。
そして、確実にやっておかなくてはいけないことが、パートナーと不倫相手の交際を終了させることです。
これはパートナーに関係終了を誓わせるだけでは不十分です。
男女の仲は、いつどこで再開するかわかりません。
やはり不倫の相手方にも強い警告が必要です。
不倫や浮気というのは婚姻生活を脅かすものであり、民法上の不法行為です。(刑法上の犯罪には該当しないため、不倫トラブルについては警察に相談しても対応はされません)。
そうした民法上の不法行為によって精神的損害を被った場合には、不倫相手に対して損害賠償請求ができます。
離婚をしないで婚姻を継続する前提で、不倫相手に損害賠償請求を行う場合には、その請求額は20~50万円程度とするケースが多くなっています。
損害賠償金を得るのが目的ではないのですが、相手に反省を促す意味で少額であっても損害賠償請求を行った方がよいでしょう。
不倫の相手方とも話し合いがつくなら、損害賠償金の支払いをさせて、示談書の作成を行い解決とすることになります。
その示談書には、不倫の再発予防の対策をしっかりと盛り込む必要があります。具体的にはパートナーとの連絡接近禁止の規定を設け、違反した場合には罰金が発生することを明確にします。
そうした歯止めを設けることで不安要素を消すことができます。
特に不倫の相手方とは関わる時間は少なくしたいところです。
相手方への要望がまとまらない段階で面談しても、下手をすれば口論を激化して解決を難しくしてしまう危険性があります。
あらかじめ要望事項をまとめた示談書を用意し、それを提示しながら相手の同意を確認して手短に終えるよう準備を進めたいものです。