傷害事件や不倫、セクハラなどのトラブルを解決するためには慰謝料を支払うことが必要になります。
被害者が慰謝料を望まない場合は金銭の支払いをしないで解決することもありますが、ほとんどの場合は支払いが示談成立の条件となっています。
問題は加害者に経済力が無く慰謝料の一括支払いができない場合です。
そんなケースでは、加害者が支払える範囲で慰謝料の分割支払いを認めるしかありません。
被害者側の立場としては早く慰謝料を一括払いしてもらい、加害者との接点は無くして解決を急ぎたいのが本音でしょう。
しかし、おカネが無い相手に一括払いを要求しても用立てできないのが現実です。
被害者:「慰謝料を一括払いしなさい」
加害者:「おカネがありません」
被害者:「借りてでも用意しなさい」
加害者:「誰も貸してくれません」
被害者:「反省してる?」
加害者:「もちろん反省しています」
被害者:「なら一括払いしなさいよ」
加害者:「おカネがありません」
被害者:「・・・」
経済力が乏しい相手に請求しても、このような堂々巡りの話が繰り返されるだけです。
交渉がこうしたループに入り込んでしまったら、時間が経過するだけで結論は永久に出ません。これではストレスばかりが溜まってしまいます。
つまりこうしたケースでは被害者が慰謝料の一括払いにこだわり続けると話はまとまることがなく、結果として慰謝料の支払いは遅れる一方となります。
最悪の場合には交渉が長引いて加害者も居直り、そのうちに連絡もとれなくなってしまいます。
そんな事態を避けるためには被害者側が慰謝料の分割払いを認めるという決断をすることが必要です。
トラブル解決の交渉はスピードが大事です。交渉を長引かせてもメリットはあまりありません。
加害者には一括払いをする能力が無いと判断したときは、1ヶ月あたりの支払い可能な金額を確認して、その分割月額にて支払い義務を確定させる示談書を作成するべきです。
もし、加害者が分割金の支払いを怠ったときには、示談書を証拠資料として裁判を行い、加害者の給与口座等に対して差押えをすることになります。
慰謝料の支払いを口約束だけにしていた場合には、支払い義務の証明が困難になるので裁判も難しくなります。そのような失態をしないためにも、トラブルの後には示談書を作成しなくてはなりません。
このようなケースでは被害者からまとまったおカネを徴収するのは難しいため、弁護士に依頼すると費用は被害者の持ち出しになってしまう可能性もあります。
弁護士報酬が20万円~30万円程度かかる場合も、報酬の支払いをするのは依頼をする被害者になります。
法的に通用する示談書を作成し、その費用を抑えたいという場合には行政書士への書類作成の依頼をご検討下さい。